産卵できないウミガメの悲鳴。砂浜に続く足跡が物語る現実
愛知県の南東に位置する表浜海岸表浜海岸は、多くの釣り人やサーファーが訪れる海岸である一方、毎年アカウミガメの産卵が行われている海岸でもあります。
海岸の人工化が進み消波ブロックが設置されることでウミガメが上陸できないという問題が生じています。もし万が一運良く、ウミガメが上陸できたとしても再度海に戻ることができず死に至るとケースもあります。
延々と続くウミガメの足跡。まるで悲鳴をあげているよう
消波ブロックに幾度となく阻まれ、陸に行きたくてもいけない状況が見て取れます。タートルトラック(ウミガメの足跡)の長さの分、悲鳴をあげているように感じます。
以下の画像の足跡を残したウミガメは、何度も何度もトライしましたが、結局安全な産卵場所にはたどり着けず、波打ち際で近い場所で産卵をしてしまったそうです。(波打ち際は産卵巣が流失してしまう可能性が高いんです。)
人間によって作られたブロックが、新しい命の誕生を妨げる、、、みなさんはどう感じますか?
あなたが出産する立場で、出産直前に妨げられたら・・・・どう思いますか?

砂丘にたどり着いたウミガメ
以下のウミガメは、ブロックの隙間を見つけ砂丘にたどり着き産卵を終えましたが、その後海に帰るときにはブロックの隙間を見つけられず、消波ブロックにそって何時間も歩いたようです。(海で泳ぐための)手のヒレを使い100kgもの体を動かす歩くウミガメ。数時間歩き回ることは体に負担がかかるのも当然です。

そのほか悲しい結末を迎えるウミガメ
▼ブロックに落ちてしまったウミガメ。これだけの段差があれば這い上がることもできません。どうにか前進しようと何度も頭をブロックにぶつけたため血の後が残りました。

▼ブロックの隙間に挟まってしまったケース。ウミガメは後退することができないので、ブロックにはまったまま窒息。そのまま命を落としてしまいました。

▼ブロックが障害になるのは親のウミガメだけではなく、その赤ちゃんも。一度も海にでれず命を落とす悲惨な赤ちゃんもいるでしょう。

絶滅危惧種のウミガメ。アカウミガメの産卵地は日本の海岸だけのようで、もしこのまま海の人工化によって産卵地が失われれば絶滅につながります。
NPO法人表浜ネットワーク理事長の田中さんはウミガメの保護活動を行っています。表浜海岸の現状を次世代に伝えるためクラウドファウンディングreadyfor
で資金を募り1冊の冊子を作る試みをしようとしています。冊子には、10年間の取り組み、ウミガメの生態、表浜海岸に自生する植物や動物などが取り上げられています。この冊子で、一人でも多くの人がウミガメや海に対する意識を持てば、より良い海の環境作りができるのではないでしょうか。
(source:readyfor)

動画はこちら
ブロックに阻まれ命を落としたウミガメです。人間が作った消波ブロックで・・。胸が痛くなります。