カナダでイヌ駆除の法律が成立…多くの人たちがイヌの命のために動く
カナダのモントリオール議会は、シェルターで保護されている数えきれない数のイヌを、すぐに市内から出て行かすか、安楽死させるかをせまる法律を成立させました。
先日、成立したモントリオール市内に適用されるイヌの駆除法は、アメリカン・スタッフォードシャー・テリア、スタッフォードシャー・ブル・テリア、アメリカン・ピット・ブル・テリアや、それらの犬種の雑種といった、いわゆる「ピット・ブル」と呼ばれるイヌに生まれただけで駆除の最後通告を受けるという、非常に恐ろしいものでした。
この法律が成立してから、多くの個人や救助グループは、駆除の対象となっているイヌをどうやったら助けれるか思案を重ねています。

駆除の対象となっているイヌを助ける手段は沢山ありますが、残された時間は多くはありません。10月3日からは、駆除の対象となっているシェルター内のイヌは、シェルター外に持ち出されることが禁止されます。
署名の力
署名の強さは、計り知れないものがあります。
アイルランドで保健所に捕まったあるブルドッグの雑種は、彼が元の飼い主のところへ戻るのに賛成する、300000もの署名が集まって始めて家に帰れました。署名によるベルファスト市議会への圧力が、このハンクというイヌの命を救いました。
手紙も実は効果が高いんです。1月のある日、アメリカのノースカロライナ州、ヘンダーソンビル市で警察署長をしているハーバート・ブレークさんは、ネグレクトされているある飼いイヌの調査依頼のメールを、世界中から約450通受け取りました。
ブレークさんは、インターネットでそのイヌの飼い主の住所を調べ、即座に救助を行いました。 これまでで、150000人以上が、モントリオールでのイヌの駆除法に対して反対の署名をしています(2016年9月29日現在)。
イヌをもっと受け入れて!
もう法律は通ってしまいましたが、モントリオール動物保護団体は、モントリオール裁判所に対して、イヌの駆除の法律は違法であると主張しています。特定の種類のイヌだけを対象とすることは、差別であると動物保護団体は主張しています。
動物保護団体は、裁判所に対して駆除法の差し止め依頼を出し、せめて法律が法的に有効かどうか確定するまでは、駆除法の施行を延期することを主張しています。「もしも差し止め命令が受け入れられたら、動物虐待のすべての方面に待ったをかけれます。」と、モントリオール動物保護団体弁護士のアランナ・デヴァインさんは言います。
しかし、差し止め命令が受任されるまでの道のりが険しいことは、彼女も認めています。
差し止め命令が受任されるかどうか、早ければ法律が施行される同日の月曜日に確定します。もしも差し止め命令が受任されれば、駆除法は直ちに破棄されます。

多くの動物保護団体が動く…
(One Last Chance Animal Rescue Team、略してOLCART)の4人のメンバーは、駆除法についての情報を数カ月前に知りました。モントリオール議会は、駆除法に賛同する側にすでに傾いているため、ピット・ブルたちをモントリオールから、安全なサスカチュワンや沿海州に移動させる計画をたててきました。
モントリオール市内にいるピット・ブルたちに残された時間は少ないため、OLCARTは大急ぎでイヌたちを市内から運び出しています。これまでに、OLCARTは安楽死の対象になる可能性が高い、約30匹のイヌをモントリオール市内から脱出させました。
「私たちは、駆除の対象のイヌたちを、大至急市内から脱出させなければなりません。このイヌたちは、市内では飼育禁止です。最重要で進められなければなりません。」と、OLCARTのキャロリン・ウイリアムスは強く言いました。
そして、 救助のための寄付用ページが1日で作られたように、世界中からのサポートが続いています。 「総額で、5000ドル寄付されるのを最低ラインにしてたんです。でも、今までで10000ドル以上を、イヌを救助するために寄付して頂くことができました。」「正直なところ、驚くほどの支援を頂いています。メッセージもたくさん送って頂き、私たちが圧倒されていますよ。」とは、ウイリアムさんの言葉。
命を守るために
どんなイヌに生まれてきたかによって生きれるかどうかの問題は、モントリオールだけで起こってることではありません。特定のペットを突然手放さなくてはいけなくなる法律は、北アメリカからヨーロッパにかけて広く実施されてきました。実際に、アメリカの700以上の市では、駆除法に似た法律が実施されています。そして、カナダのオンタリオ州では、11年間にわたり似た法律が実施され、完全な失敗だったとみなされています。この法律の結果、非常に多くのピット・ブルがシェルター行きになりました。(thedodo)
モントリオール議会の、ムチャクチャなやり方は阻止されなければなりません。
多くの命を守るために。

ピット・ブルに生まれただけで駆除されてしまうという法律が、モントリオールで成立しました。狂犬病をなくすために、野良犬を駆除するという政策が日本で行われたように、内実には色々とあるんでしょう。ピット・ブルは確かに噛みつきやすい犬種ですが、全てのピット・ブルがそうだというわけでもありません。ヒトとイヌが幸福に、ちゃんと共存できる社会が待ち遠しいですね。
カナダのイヌ駆除の法律成立で多くの動物団体や世界中の多くの人が動きました。あなたも署名で応援してあげたらいかがでしょうか?(こちら)