12年間、檻の中…。虐待から救出されたブタのハッピーライフ
ブタのエドナは12年間もひどいネグレクトをされていました。
まだ生きているのが不思議なほどです。

エドナはオーストラリアのとある家の庭で、小さな檻に姉と一緒に閉じ込められていました。
以前は二匹でお散歩できる庭のスペースがあったのですが、庭のフェンスが壊れたのを理由に檻の中に閉じ込められるようになりました。

エドナを助け出したデボラ・ピアースさんはWhere Pigs Flyという動物保護所の創設者。
「檻の中はドロドロでした。」と彼女は語ります。
「少し強い雨が降っただけで、地面に水たまりができ、何日も残りました。雨が降れば、必ず水たまりができてしまうのです。監禁されていたので、脚の筋肉は弱り、立つのに痛みを伴う状態でした。」

飼い主は引っ越す時にどこか譲るところを探すこともせず、二匹を檻の中に放置していきました。
もうブタはいらないと思ったみたいです。そのまま他の州へ引っ越してしまいました。
悲しいことに、十分な食料も水もなかったせいでエドナの姉は死んでしまいました。
それからエドナはたった独りで半年もの間、檻の中にいたのです。

近所の人たちはできる範囲でエドナに果物や野菜を与え、檻の掃除をしてくれていました。
でもこの子は早くここから出た方がいいと思い、ピアースさんに連絡して、保護所にエドナを連れて行ってくれないかと頼んだのです。
ピアースさんは「もちろん!」と答え、エドナは救出されたのでした。

エドナは13歳になりました。
長いこと酷い環境にいたので、保護所の自由な環境に慣れるまで少し時間がかかったようです。

「最初は心の扉を閉じている感じがしました。」とピアースさんは言います。
「穴を掘って、何週間もほとんど動きませんでした。おそらく怖かったのだと思います。」

過去との決別!
しかし、時間をかけて少しずつエドナは自分の殻を破り始めました。
色々なことに興味を示し、恐怖心も和らいできたようです。
次第に牧場内での行動範囲が広がっていきました。

「すごく可愛い笑顔を見せるんですよ。彼女とたくさん一緒に座って時間を過ごして、話して、ハグもいっぱいしました。エドナが嬉しそうに鼻を鳴らしたり、ブーブー鳴いたりする音は私のお気に入りです。」
そう話すピアースさん。

エドナは友達になった人や動物と一緒にいるのが大好きで、一羽のめんどりと特に仲良しなようです。

あそこまで酷い体験をしたにも関わらず、エドナはまだ人が好きなことに驚きます、と語るピアースさん。
エドナの好物はスイカとナシで、ホースの水しぶきを浴びるのも大好きです。

もうエドナがいない生活は考えられない、とピアースさんは言います。
彼女は親友の一人だと思っています。
「エドナの目を見ると、誰かに見られているような感じがしますし、私たちはとても強い絆で結ばれています。エドナの喜びには本当に強く影響されます。もう酷い過去とは完全に決別していて、新しい生活を楽しんでいます。この変化を私は一生忘れないでしょう。」
そう話すピアースさんでした。(thedodo)

どんなに辛い過去があったとしても、幸せのチャンスを掴んで全く違った道を歩むことができる。
その姿に大きく励まされますし、心からの笑顔を見ると温かい気持ちになりますね。
