白い翼にハートの模様…とっても珍しいコウモリのかわいいリハビリ風景が話題に♡
普通に考えれば、この小さな生き物につける名前として「白き翼」という意味をもつアボリジニーの言葉“Tal’ngai Dha’run”はちょっと大げさに思えるかもしれません。しかしつい最近オーストラリアのコウモリ専門保護団体にやってきた珍しいコウモリには特別な意味をもつ名前になったようです。
グレイ・ヘッド・フライング・フォックスと呼ばれる種類のコウモリであるTal’ngaiは他にはない特徴を持っていました。

白変種と呼ばれる真っ白な身体
「Tal’ngaiは白変種と呼ばれる個体です。彼の目はきれいな黒でしょう? それに耳は片方が白で、もう片方が黒い。ごく近くで見れば小さな黒い生殖器も確認できます。それにほら、右の翼の内側にハート型の模様があるんです。とってもフォトジェニックな子ですよね」と保護団体のスタッフ、トリシュさんは語ります。

トリシュさんの所属する保護団体は近頃、群れをはぐれたり怪我をしたコウモリの保護に追われています。不規則な天候パターンや生息地を失ったコウモリたちが大規模な飢餓にさらされているからです。
Tal’ngaiが見つかったのは赤ちゃんコウモリの夜間保護活動中のことです。多くの赤ちゃんコウモリたちが空腹で弱っており、木から落ちてしまうのです。


「車に戻る途中のことでした。視界の端に紙片が落ちてるのが見えたんですけど、それが突然動き出したんです。Tal’ngaiでした。もし彼がそのまま地面にいたとしたら、今頃ほかの動物に食べられていたでしょうね…」


Tal’ngaiを診察室に連れ帰り調べると、とても珍しい柄をもつことや、母親に守られていなかったことで両足に日焼けによるヤケドをしてしまっていることが分かりました。
「Tal’ngaiがここまで成長できたのはお母さんの懸命な頑張りの結果でしょう」とトリシュさん。

「本来であれば、来年の2月ごろには他のコウモリたちと一緒に自然に帰してあげたかったんですけど、いまの段階で自然に帰すにはヤケドの状態が良くないんです。もうしばらく私たちのところでリハビリをして、来年になれば今後のことが見えてくるはずです」
Tal’ngaiはいま他のコウモリたちとリハビリの真っ最中ですが、彼らはTal’ngaiが自分たちとはすこし違っていることを全く気にしていないようです。
リハビリ以外の時間にはお気に入りの黄色いテディベアと一緒に寝転んだり、かわいい姿を見せているTal’ngai。今後のことはまだ分かりませんが、素敵な時間を過ごせていることは確かなようです。(thedodo)

コウモリ専門の保護団体があるなんて、野生動物が多く生息するオーストラリアならではですね! Tal’ngaiのヤケドがはやく良くなってオーストラリアの大空を羽ばたけることを願います。